はじめに
マッチングアプリの普及とリスク
マッチングアプリを利用する方は年々増えております。
忙しい現代人にとって、手軽に異性と出会い、デートまでのステップを踏むことができるアプリは非常に魅力的ではあります。
その一方で、利用者が騙されて金銭トラブルに巻き込まれることも増加しています。
アプリ上で信用しやすい相手と知り合うことで、詐欺の被害に遭うケースも特に散見されます。
金銭詐欺の手口
マッチングアプリを利用した金銭詐欺の手口は巧妙です。
例えば、アプリで知り合った相手と何度か会い、信頼関係を築いた後で「病気・怪我」「親の健康上の問題」「口座凍結」「借金の返済」などの緊急事態を装い、お金を貸してほしいと頼む手法があります。
そして、誓約書等を作成し、返済予定日を定めても実際にはその期日が過ぎてもお金が返ってこず、連絡が取れない状態になることが少なくありません。
このような状況に遭遇すると、LINE・インスタなどのメッセージアプリだけを頼りに相手に連絡を取ろうとしても、連絡が取れず事態がさらに悪化することになります。
金銭詐欺に遭った場合の初期対応
連絡を試みる
まず、金銭詐欺の疑いがある場合は、当人に連絡を取れる状態にしておくことが重要です。
マッチングアプリやLINEなど、相手との連絡手段を使って、落ち着いたトーンで催促するメッセージを送信しましょう。
お金を貸している場合、その詳細や返済期限について再度確認するメッセージを送信することが有効です。
ただし、連絡が取れない場合や返信がない場合は、さらに他の対応策を検討する必要があります。
証拠の保全
金銭トラブルが発生した場合、証拠を保存することが非常に重要です。
例えば、貸したお金についてのやりとりのスクリーンショットや、誓約書、送金の履歴などを保存しておきましょう。
このような証拠があれば、弁護士、司法書士さらには警察に相談する際に大いに役立ちます。
証拠の不足はトラブル解決を難しくするため、注意を払うことが重要です。
第三者への相談
金銭詐欺に遭った場合、一人で問題を解決しようとするのではなく、専門家に相談することが重要です。
弁護士・司法書士に相談することで、相手方の身元特定や具体的な法的対応についてアドバイスを受けることができます。
また、必要であれば警察に被害届を提出することも検討に入れましょう。
ネットで知り合った人との金銭問題に対しては迅速かつ適切な対応が求められます。
交渉の進め方
直接交渉時のポイント
返済期日に支払いがない場合、まずはマッチングアプリやLINEを使い、冷静に連絡を取り、具体的な返済計画を求めてください。
このような場合には感情的にならず、事実を元に丁寧に対応することが大切です。
再度会う約束をして直接話す機会を作るのも一手です。
ただ、特に相手が危険な人物である可能性もありますので、複数回連絡を試みても返信がない場合や会うことは躊躇するようであれば、相手の存在を確認するために、住所宛に内容証明郵便を送ることも有効です。
弁護士・司法書士を通じた交渉
直接交渉が困難な場合や、相手が誠意を見せない場合には、弁護士・司法書士（140万円以内の場合）を通じた交渉を検討します。
専門家に相談する際は、マッチングアプリで知り合った経緯や詐欺の詳細、マッチングアプリやLINEでのやり取り、借用書、誓約書など、すべての証拠を提供してください。
専門家はこれらの情報を基に、相手方の身元を特定し、返金を求める正式な手続きに入ります。
専門家を通じた交渉は、法的な圧力をかけることで、相手が返金に応じやすくなります。
交渉が難航した場合には訴訟を視野に入れることも必要ですので、専門家の助けを借りることで、自分一人では難しい交渉がスムーズに進む可能性が高まります。
警察への相談手順
相談・被害届の提出
マッチングアプリで知り合った人にお金を貸した結果、連絡が取れない状況になった場合、早急に警察に相談しておくことが重要です。
相談する際には、以下の流れで進めると良いです。
まず、貸したお金についての詳細を明確にするために必要な証拠を揃えます。
具体的には、詐欺を示すやり取りのスクリーンショット（特にLINEやアプリ内のメッセージ）、契約書、振込明細などです。
そして、警察に行く前に事前に連絡を取り、相談する日時を予約するとスムーズです。
警察官に事情を話す際には落ち着いて、具体的な日時や金額、被害の流れを詳細に伝えることが求められます。
また、持参した証拠を基に警察の質問に答えることで、被害届が正式に受理される可能性が高まります。
警察の反応と期待できる対応
被害届を受理してもらえたら、警察は提出された証拠を基に捜査を開始するかどうかを判断します。
警察が詐欺の可能性が高いと認めた場合、事件として捜査に着手します。
捜査が進むと、相手方に対する取り調べや詐欺の立証に向けた証拠収集が行われます。
警察が詐欺行為を確認し、具体的な証拠が揃えば、相手に対して逮捕の可能性があります。
ただし、この過程は時間がかかることもありますので、焦らずに捜査の進捗を待つことが重要です。
また、警察の捜査の一環として、貸したお金が返済される可能性も考えられます。
刑事事件として立証された場合、加害者は法的な制裁を受けるだけでなく、返金に応じることもあります。
このように、警察への相談は、お金を返してもらうだけでなく、詐欺回復の面からも重要なことです。
まとめ
信頼関係の構築
マッチングアプリで人と知り合う際には、信頼関係の築き方が非常に重要です。
まず、知り合って間もない相手がお金を貸すに値するかどうかをよく考えましょう。
信頼を築くためには、お互いのバックグラウンドをしっかりと理解し、数回のデートや他のコミュニケーションを取ることが必要です。
また、LINEや他のメッセージアプリでのやり取りだけに頼らず、実際に会って話すことも大切です。
LINE IDしか知らないという事案も多いので、住所、氏名、電話番号はきちんと裏を取っておいてください。
お金の貸し借りが話題に上った場合、相手の意図をしっかり確認し、不自然な理由や緊急性を感じた場合は慎重に対応することが重要です。
信頼関係は短期間で築けるものではなく、時間と相互の理解が必要です。
詐欺被害を避けるためにも、お金を貸す場合は慎重な行動が不可欠です。
証拠の重要性
連絡が取れない状況に備え、できるだけ証拠を残すことが重要です。
LINE・マッチングアプリのスクリーンショットやメールのやり取りを保存しておくと後の証拠になります。
さらに、詐欺の手口は巧妙化しているため、誓約書や契約書を作成することも有効です。
この場合、返済期限や金額を明確に記載し、相手に署名・押印する形式にします。
誓約書があることで、万が一お金を返してもらえない場合にも、証拠として有効に活用できます。
専門家等への相談
専門家や警察に相談することで、被害を最小限に抑えることができます。
早期に問題を解決できるように心掛けましょう。
当事務所は詐欺事案の相談も数多く受けており、その手の知識と経験を持っております。
ご相談者様が不利にならないような適切なアドバイスを提供することができます。
お金を騙し取られてしまった場合には、お気軽にご連絡頂ければと思います。
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