過去にレンタル彼氏のキャストとして登録したが、何らのサービス提供もしてもらえなかったので、そのままにしていたところ、突然4年間の業務委託料が未払だとして約80万円の請求を求める支払督促を起こされたという相談を立て続けに2件頂きました。
レンタル彼氏なるものがどのようなものか存じ上げなかったので、調べたところ、同様の裁判が全国で起こされていることがわかりました。
共通しているのが、登録してから3~4年ほど経過しており、その間何らの連絡もなかったこと。契約書の交付も行われていないということです。
ご相談いただいた方の事案を聞くと、何の仕事もあっせんされないので、レンタル彼氏の登録を解除しようと申請したらキャストの登録料として24か月分の利用料を支払うことが解約の条件だと言われたそうで、そのままにしていたとのことでした。
また、広告掲載費や登録料も登録後に払わなければいけないということを知らされたそうです。
いずれも遠方の方だったので受任には至りませんでしたが、そのまま放置してしまうと相手の言い分が認められてしまうので、まず異議の申し立てをした方が良いとアドバイスいたしました。
このようなキャスト登録する契約は、業務提供誘引販売取引(契約)に該当し、法定書面が交付されていなければ、いつでもクーリングオフが可能な取引です。
業務提供誘引販売取引とは?
業務提供誘引販売取引とは、消費者を「仕事を提供するので収入が得られる」という口実で誘引し、仕事に必要であるとして、商品等を売って金銭負担を負わせる取引のことです。
在宅ワークのためにパソコン、関連機器を購入させたり、特定の資格を取得するための講座を受講させる取引形態が一例です。
ただ、運営会社が送ってきた書類を拝見させてもらったところ、この運営会社が勝訴している事案もあると強気な文言で書いてありました。
欠席判決なのかガチンコで争ったのか、調べても出てこないので、よくわかりませんでしたが、勝訴判決がある以上、このレンタル彼氏の裁判は今後も起こされると思います。
万一、過去にレンタル彼氏の登録をしてしまい、今になって支払督促や簡易裁判所に裁判を起こされた方は、当事務所に限らず、弁護士司法書士に相談することをお勧めします。
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