ギャンブルが原因でも自己破産できる?免責のポイントを解説

破産 任意整理

ギャンブルが原因の借金と自己破産

自己破産とは

自己破産とは、借金などの債務を支払いきれなくなった個人や法人が、裁判所に申立てをして、その債務を免除してもらう手続きのことです。
この手続きを通じて、法的に債務から解放され、新たな生活をスタートすることができます。
自己破産をすることによって、借金の返済義務がなくなる一方で、一定の財産や権利が制限されることもあります。

ギャンブルが原因の借金とは

ギャンブルが原因の借金とは、パチスロ、パチンコ、競馬、競艇などのギャンブル活動による損失が原因で発生した借金のことを指します。
これらの活動は一時的な娯楽として楽しむこともできますが、過度にのめり込んでしまうと大きな負債を抱えることになります。
特にギャンブル依存症に陥ると、借金が膨れ上がり、自己破産や他の債務整理(個人再生や任意整理)を検討しなければならない状況に追い込まれることがあります。

自己破産手続きの流れ

自己破産の手続きは以下のような流れで進行します。
まず、裁判所に自己破産の申立てを行います。
次に、破産管財人が選任され、財産や負債の調査が行われます。この過程で、債務者の資産が処分され、その資金が債権者に分配されます。
最終的には、裁判所が「免責決定」を下し、再び債務から解放されることが確認されます。
ただし、ギャンブルが原因の借金の場合、後述の「免責不許可事由」に該当する可能性があり、免責が認められないこともあります。

免責不許可事由と裁量免責

免責不許可事由とは

自己破産手続きにおいて、借金の免責が認められない理由として「免責不許可事由」が存在します。
具体的には、ギャンブルやパチンコ、スロットなどの浪費による借金がこれに該当します。
免責不許可事由がある場合には、免責が認められず、借金を返済しなければならない可能性があります。

裁量免責とは

裁量免責とは、免責不許可事由が存在する場合でも、破産管財人や裁判所の判断で特別な事情を考慮し、免責を認める制度です。
たとえば、ギャンブル依存から立ち直るための治療を真剣に受けている場合など、反省の意志や生活の改善が見られるケースでは、裁量免責が認められることがあります。

裁判所の判断基準

裁判所が免責を認めるか否かの判断には、ギャンブルによる借金の経緯や債務者の反省と改善の意志が大きく影響します。
競馬や競艇など特定のギャンブル活動に多額の資金を費やした場合でも、その背景や現在の状況を詳しく説明することで、裁量免責をもらえる可能性はあります。

ギャンブルが原因の借金で免責が認められる条件

反省と改善の意志

ギャンブルが原因で発生した借金に対して自己破産を申請する場合、反省と改善の意志が重要な要素となります。
裁判所は申請者が本当にギャンブル依存から脱却し、今後の生活を立て直す強い意志を持っているかどうかを重視します。
具体的には、ギャンブル依存症治療のための専門機関に通院している証拠を提示したり、家族や専門家のサポートを受けていることが有効です。

借金の経緯と他の要因

ギャンブルが原因の借金で免責が認められるためには、借金の経緯や他の要因に関する詳細な説明も必要です。
裁判所は、借金がどのようにして積み重なったのか、その背景に何があったのかを詳しく知りたいと考えます。
例えば、短期間で大量の借金を作り出した場合や他の生活費や医療費などに必要なお金をギャンブルに使った場合などを具体的に説明する必要があります。

免責が認められない場合

個人再生

ギャンブルや浪費が原因の借金に対しては、自己破産では免責が認められない可能性がありますが、そのような場合には個人再生も借金問題解決のための有効な選択肢となります。
個人再生手続では、免責不許可事由がないので、ギャンブルや浪費の理由だけで個人再生が認められないということはありません。
借金については自己破産のように全額免除ではなく、借金の一部を再生計画に基づいて減額し、残りを分割で返済しますので、給与や年金などの定期収入が必須です。
そのため、定期収入がない方には向かない方法ではあります。

任意整理

任意整理も、自己破産の免責が認められない場合の解決方法です。
任意整理は、債権者と依頼を受けた専門家が直接交渉して利息のカットや返済期間の延長など返済条件を変更する手続きで、ギャンブルによる借金であっても利用が可能です。
これにより、毎月の返済額が減少し、負担が軽減されることになります。
例えば、パチンコやスロットでできた借金でも、任意整理を通じて返済計画を構築し直すことができます。また、任意整理は裁判所を介さずに進行するため、家族に内緒で行えること、手続きが複雑ではない点もメリットです。
ただし、任意整理では自己破産・個人再生と異なり、元本の大幅な減額が期待できず、返済義務は免除されません。
あくまでも毎月の返済負担を軽くするための手続きですので、個人再生以上に毎月返済をする必要がありますし、そもそも定期収入のない方は使うことができません。

まとめ

自己破産手続きにおいては、ギャンブルや浪費が免責不許可事由に該当するため、免責が認められない可能性があります。
しかし、事案によっては裁判所の裁量により、裁量免責が適用されることもあるため、一概には利用できないとは言い切れません。

一方で、個人再生や任意整理といった他の債務整理手続きも存在します。
個人再生はギャンブルや浪費が原因の借金であっても問題なく進行することが可能であり、再生計画案が無事認可されれれば、再生計画に基づいて借金は減額され、月々の返済額も減らすことができます。

ギャンブルや浪費による借金問題については、自己破産だけでなく個人再生や任意整理といった他の選択肢も検討することが重要です。
しっかりと反省し、改善の意志を持って行動することが、今後の債務整理成功のカギとなります。

ギャンブル依存症・浪費で作ってしまった借金の返済にお困りの方は、当事務所にお気軽にご相談ください。

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