借金、クレジットカード、携帯電話料金、家賃の支払いが困難になり、任意整理を検討する方は多いです。
しかし、(みなし)貸金業者の中には、任意整理に応じない場合があります。
業者が任意整理に応じない理由や弁護士・司法書士に依頼を断られたときの対応方法を説明いたします。
任意整理とは、専門家が業者に利息の減免を求め、3~5年の分割払いの交渉をする債務整理方法を指します。
業者が任意整理に応じるかどうかは義務ではない。
そもそも、任意整理に応じるかどうかは、債権者である業者の自由です。
「国で認めた借金減額方法」といって、借金がさも減るかのように誤信させて、依頼を取る事務所があります。
しかし、任意整理は裁判所を通さない債務整理方法であり自己破産や個人再生といった強制力はありません。
あくまで債権者と交渉によって今より返済負担を楽にしてもらう方法です。
それを知らずに依頼をし、結局和解ができず、高い報酬だけ払わされてしまうことも多いです。
業者によっては任意整理を認めないというところがあるということを知っておくことは重要です。
「借金がなくなる!?」誇大なネット広告でトラブル相次ぐ
『借金全額免除!?』『国が認めた借金救済制度』
具体的に何の制度のことを言っているのか分からないけれど、誰でも借金を減らせるかのような印象を与える広告、見たことがある人は多いのではないでしょうか。多重債務者の生活再建のためにある「債務整理」。弁護士や司法書士が出てきたからもう大丈夫と思ったら、かえって生活が苦しくなったという声が次々と上がっています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240221/k10014365901000.html NHK NEWSWEB
業者が任意整理に応じない理由
業者が任意整理に応じないパターンは2つ。
1.そもそも任意整理に応じない業者
どの事務所であろうと、一切任意整理に応じない業者があります。
例えば下記の業者です。(この業界では有名ですので、この業者が入っていればそもそも任意整理の依頼を受けない事務所が多いところです。)
- れいわクレジット管理株式会社(東京都港区南麻布4丁目5番48号フォーサイト南麻布2F)
- アペンタクル株式会社(栃木県宇都宮市下戸祭2丁目3番25号)
- 株式会社ギルド(大阪府大阪市淀川区西中島5丁目7番11号)
- 株式会社クレディア(静岡県静岡市駿河区南町10番5号)
- CFJ合同会社(東京都新宿区新宿六丁目27番30号新宿イーストサイドスクエア)
- フクホー株式会社(大阪府大阪市浪速区難波中三丁目9番5号 福宝ビル)
- 株式会社しんわ(福岡県福岡市博多区中呉服町6番10号グランスクエア呉服町5階)
- 有限会社プラン(大阪府大阪市浪速区難波中二丁目九番二号リバーライズ難波ビル4階
- ライオンズリース株式会社(愛知県名古屋市中村区名駅5丁目23番3号)
- 株式会社スペース(大阪府大阪府堺市堺区中瓦町2丁目1番15号エスト瓦町ビル3F)
- AZ株式会社(京都市下京区大宮通綾小路下ル綾大宮町50番地 アヤノビル)
- 株式会社アイシンクレジット(青森県弘前市大字末広5丁目7番1号)
- 株式会社MEDS CLN(北海道札幌市中央区南一条西6丁目 札幌北辰ビル)
- ビアイジ株式会社(京都府京都市右京区西院東淳和院町18番地万成ビル4F)
- 株式会社キャネット(北海道札幌市中央区大通西5丁目8番地昭和ビル5F)
株式会社日本保証について
日本保証は任意整理に応じないと説明している事務所は多いですが、当事務所の実績で申し上げますと、利息付になりますが、分割払いには応じてくれているので、任意整理できないわけではありません。
学生ローンについて
高田馬場あたりに多い学生ローン業者も任意整理に応じない業者が多く、依頼を受けない事務所も多数ありますが、ケースバイケースですので、全く任意整理ができないわけではありません。
学生ローン業者一例
- イー・キャンパス(東京都新宿区高田馬場3丁目4-16 MKビル4階)
- カレッヂ(東京都新宿区高田馬場2丁目17-11)
- フレンド田(東京都新宿区高田馬場3丁目2-1大和ビル2階)
- マルイ(東京都新宿区高田馬場2丁目19-7タックイレブン高田馬場6階)
2.人によって任意整理に応じてくれない
通常は任意整理に応じる業者あっても、次のようなケースでは任意整理に応じてもらえない可能性があります。
取引期間が非常に短い
借入期間が非常に短い場合、業者も利息収入を得られていないため、任意整理に応じてくれない場合が多いです。
返済を一度もしていない
借入をして1度も返済をしていないような場合には、通常の業者は任意整理には応じません。
この理由は容易にわかるかと思います。
このような状況で業者と交渉すると業者からは十中八九詐欺といわれます。
長期間の延滞
長期間放置することで、信用は失われてしまっていること、多額の遅延損害金が発生しており、容易に免除できる状況ではなくなっているためです。
なお、5年以上滞納している場合、消滅時効援用で支払義務を無くすことができる可能性があります。
裁判を起こされ、債務名義を取られている
裁判・支払督促を起こして債務名義を得ている場合、業者はいつでも強制執行をすることができる状況できますので、和解をするメリットがありません。
また、ここに至るまでに交渉はできたわけですから、ここまで放置していた方の言うことは信用が置けないと判断するからです。
過去に任意整理をしている
過去に同じ業者を任意整理したものの支払えなくなり、和解が無効になってしまった場合、再度の任意整理に応じてもらえない可能性が高くなります。
一度約束したのにもかかわらず、再度滞らせたため、業者からの信用を失ってしまったからです。
保証人や不動産担保(抵当権)を取られている
保証人や不動産担保は滞納した時に回収するための担保ですので、業者はそこから回収すればよく、任意整理に応じてもらえない可能性があります。
返済計画のミスマッチ
支払が困難だからと長期間の返済計画で和解提案をすると、任意整理に応じてもらえません。
業者の和解の目安は、36回~60回といわれておりますので、それ以上長期になると認めないというところは多いです。
(逆に業者の中には120回払いを認めるところもあります。この点は業者に寄りけりです。)
専門家に依頼していない
ご自身で苦しい生活状況を業者に説明したところ、説得力がないと一蹴され、取立てが厳しくなるケースがあります。
こういったケースは、弁護士・司法書士に依頼すれば、応じてもらえる可能性が高いです。
任意整理に応じない場合の借金解決方法
借金問題は必ず解決できる問題ですが、誰かが引き受けなければ再起を図ることは難しいことも事実です。
任意整理に応じてくれない業者が含まれており、他の事務所で断られた方の依頼を積極的に受けております。
任意整理に応じない場合の借金解決方法の一例を記載いたします。
応じない業者を任意整理から除外する
現在も返済中で期限の利益を喪失していないのであれば、その業者だけは引き続き約定弁済を続け、他の業者の返済負担を減らし、応じない業者の債務をどんどん返済していくという方法が考えられます。
任意整理は業者全てを対象とするのが原則ですが、任意整理に応じない業者があるような状況ではやむを得ないのでこのようなことをする場合があります。
頭金を入れるなど返済計画を見直す
人によって和解に応じてくれない業者のケースになりますが、頭金を入れる、月額返済金額を増加し分割回数を減らすなどで和解に応じてくれる可能性はあります。
アコム、アイフル、プロミス等の大手はこの方法で大体何とかなります。
ただ、3~6%程度の利息が付いてしまう場合があります。
一括弁済ができるまでお金を貯める
和解に応じない業者のケースになりますが、一括弁済で完済できる金額までお金を貯めるという方法があります。
その間差押が入るリスクは0ではありませんが、当事務所が介入することで、和解に応じない業者からの直接の請求や取り立てを止めることはできますので、安心して仕事や生活ができる環境を整え、毎月お金を事務所に貯めて頂き、一括で払うという方法で解決をはかることができます。
また、当事務所に積み立てて頂くことで、差押でお金が持っていかれるリスクも軽減できます。
個人再生や自己破産を検討する
和解に応じない業者以外の借入を含めて、債務総額を36~60回の分割払いで支払っていくこと自体困難であれば、個人再生や自己破産を検討した方が良いと言えます。
無理して任意整理をするよりも、法的手続きを取った方が借金問題や信用情報の問題が早期に解決する可能性が高くなります。
他の事務所に任意整理を断られてしまって、どうしたら良いかとお困りの方は、当事務所までお気軽にご相談ください。
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