当事務所では借金にまつわる様々なご相談を受けることがありますが、最近このようなご相談を受けました。
自営業の夫の売り上げが思うように上がらなかったため、奥様が代わりに信用金庫で運転資金を借りてあげました。しかし、売り上げは上がらないままで自営を辞めざるを得なくなり、当の夫の行方も分からなくなってしまったため、信用金庫への借金の返済も止めて数年経った今になって信用金庫の保証会社から委託を受けた債権回収会社から請求を受けどうしたらよいか。奥様に支払い義務はあるのか。仮に払わないにしても一括で払える金額ではない。というものでした。
夫のために借りてあげたものとはいえ、ご自身の意思で借りているため、残念ながら支払義務があります。
夫が失踪している場合でも結論は変わりません。
事情は汲んでくれるかもしれませんが、依然として支払義務があります。
(ちなみに離婚をしたとしても返済義務は変わりませんが、この点離婚協議などで修正を図ることは可能です)
では支払いができない場合どうすればよいでしょうか。
「任意整理」等の債務整理をすることで、返済の負担を軽減することもできます。
夫のためとはいえご自身の債務ですので、債務整理ができないということはありません。
なお、信用金庫の借り入れについて滞納から10年以上経過しており、過去に裁判(訴訟、支払督促、調停)を起こされたこと等時効を中断させる事由が無いようでしたら、「時効援用」を行うことで、支払義務を逃れることができる可能性があります。
「時効援用」により借金の消滅時効が成立すれば、そもそも元金を含め発生した利息・損害金すべてを支払う必要がなくなります。
もし、夫のために借りてあげた借金の請求が来てしまい、どう対応すれば良いかわからない方はどうぞお気軽にご相談ください。
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