過去に刑務所に服役をして、支払いをしていない期間が5年以上あるので時効援用をしたいと相談されることがあります。
刑務所に服役した場合、時効期間が中断し時効援用が認められないと誤解されている方もいらっしゃいますが、消費者金融、信販会社、携帯電話料金等の民事債権は、刑務所に服役していたとしても時効期間は進行しますので、条件が整っていれば時効援用ができます。
大手の消費者金融や信販会社は、本人が服役をしたことを連絡すると請求を止めるところが多いため、出所したら時効の期間が経過していることがあります。
ただ、上記の取扱いをしなければいけない義務があるわけではありませんので、請求書が届き続けたり、債権回収会社に譲渡され、裁判を起こされてしまい時効期間を伸ばされてしまうこともあります。
なお、本人が服役中は親、配偶者、子どもが受刑者に代わって支払いをしなければいけないと思われている方もいらっしゃいますが、連帯保証人でない以上、支払義務はありません(とはいえ、住宅ローンなどは支払をしないと競売になってしまうものもあります)。
ちなみに、本人が刑務所服役中に債務整理をできないかとお問い合わせいただくことがありますが、本人と連絡を取りながら手続きを進めていかなければいけない以上、現実問題として難しいです(出所後に債務整理をすることは可能です)。
出所後、請求が来ないからと言ってそのまま放置していても借金は自動的になくなるわけではなく、住所を新たに定めたときに請求が復活することがありますので、専門家にお気軽にご相談ください。
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